「ギルティ悪魔と契約した女」最終回感想

 芽衣子(菅野美穂)は、準(柏原収史)と人気のない場所で話している。

 宇喜田(吉田鋼太郎)を使って自分を消そうとした事を追及する彼女。しかし準は「誤解です。」「私たちを見くびらないで下さい。」と柔和な態度。
 代議士の父・豪(津嘉山正種)は民事党の代表選を控えている。
 もし堂島(唐沢寿明)の原稿が「公表されればどうなるか。」と芽衣子は脅す。

 それが嫌なら、「条件によっては…。」と取り引きを持ちかける。

 一方、宇喜田の件は自殺で処理されていた。そして真島(玉木宏)は万里(吉瀬美智子)から、芽衣子のUSBメモリーの中身を見せられる。

 そこには高校時代の準の写真が載っていた。
 赤い丸で囲み、「次はあなたの番。」と文字が。
 真島はそこで始めて、最後のターゲットが三沢である事を知る。

 準は父親、豪からクビを言い渡される。
 「資金管理団体の帳簿が漏洩した。」だからその責任を取ってもらう。
 殺人罪で無期懲役になったと思えば、これくらいどうって事ない、と皮肉って一方的に言い渡す。父親には15年前の事件のことで借りが有る準。

 芽衣子は高台の公園にいて一年前の事を思い出していた。
 母親が車椅子で来て、姉は「ここから飛び降りた。」「育った町を一望できるこの場所から。」と告げられた事を。

 三沢邸を張り込んでいた真島は、堂島の知り合いからカメラを渡される。堂島のメッセージがあった。そこへ準が車で戻ってくる。後部座席から降りてきた芽衣子を見て驚く。

 駆け寄り、芽衣子を問いただそうとする。
 「15年前の事件の事で誤解があったようで、充分な償いと、今後の生活の保障の…。」と準はもっともらしい事を言って追い払う。

 芽衣子を邸内の一室に招き入れた準は、薬のビンを取り出し、父親殺害の計画を実行に移す事を約束する。

 かつて三沢低の警備をしていたという門倉(RIKIYA)に協力を頼み、真島たちは家の周辺を張り込む。
 
 準は乾杯しましょうとワインの入ったグラスを父、豪に差し出すが、彼はもうひとつのグラスを手に取る。
 準は父親に差し出したほうのグラスを持って、しばらくためらい、しかし一口ワインを飲んだ様子。豪は「ワインの気分じゃない。」と言って立ち上がり、後ろからブランデーを持ってきて自分で注いで飲む。
 すると苦しみだし、息絶える。
 準は、自分が勧めた物は絶対飲まないと知っていたのだ。

 芽衣子が部屋に入って来て、自殺なんだからそろそろ警察を呼んだほうがいいと促す。


 やって来るパトカーに気づき、真島は邸内に乗り込んで行き、「芽衣子はどこだ。」と準に大声で怒鳴って掴みかかろうとし、取り押さえられる。
 連れ出された真島は門倉に手錠をはめられ、留置されてしまう。

 万里は芽衣子の母親に会いに行き、冤罪だった事を告げる。

 芽衣子は夜、私立高校「桜葉館学園」に忍び込み、最後の復讐に向けて準備を始める。理科室、全ての始まりとなったその場所へ、準を呼び出す。

 一人でやってきた準は、銃を芽衣子に向ける。

 しかし撃てば爆発するように薬品を周囲に用意している。

 芽衣子が死んでしまえば、あの事件を知る人はいなくなってしまう。
 それを望んでいたと言う準。自分の力で取りに来なさいとUSBメモリーを見せて芽衣子は理科室から走り出る。準は追いかけ、発砲するが当たらない。
 芽衣子は体育館に入り、そこから抜け出て雑草の生い茂る学校内の裏手の庭へと走っていく。
 追う準。そして銃を撃ちながら追い詰めていく。
 立ち止まって両手を挙げて振り向く芽衣子。

 ゆっくり近づき準は芽衣子の仕掛けた穴に落ちてしまう。

 上から鉄の格子状の扉を閉め、消火栓を開け中へ水を流し込む。

 その頃真島は万里に留置場から出してもらい、学園へと駆けつけたが、準の落ちた穴はすでに水が溢れている。芽衣子はガラス片で自殺を図ろうとする。そこへ真島が止めに入る。

 「生きて償え。」と言う。
 そして「待ってるから。」と芽衣子に手錠をかける。


 真島に連れられ学園を出ようとするところへ、万里に伴われた小山内琴美(横山めぐみ)が現れ…。







 最終回は半分予想はしていたもののやっぱり、かわいそう過ぎる結末。

 救われるシーンもあったものの、琴美がああいう形で中途半端に事件に関わってるとは思わなかった。悪い人なのか悪い人で無いのか、ちょっと出てくるの遅いし。
 準との関わりもあったとしても、どう判断していいか、困るよね。
 あそこで事実を言われても。

 もっと早く事実を言ってよね。
 三輪さんもそう。毎月貯金しなくていいから、事実を早く言ってあげて欲しかった。

 …と中途半端にいい人そうなのも困ったもんだと逆にイラつく。




 真島は本当に活躍できずに、存在価値を示せずに終わったよね。
 8話まではラブストーリーの要で魅力を振りまいたけど…。
 9話で芽衣子は「愛」か「復讐」かで自分の使命「復讐」を取った。
 「愛」に生きる事を捨ててね。
 だから真島を部屋に案内して、今までの事を全部告白して「近づかないで。」と告げた。
 ラブストーリーとしてはここで終わったんだよね。
 真島は振られた「振られ男」なんだよ。
 「振られ男」にもう出番は無い。
 でも後2話もある。それでどうしようってなって、結局辞表を出したけど撤回して、刑事に戻して存在意味を作るしかなかった。
 芽衣子中心のサスペンスだから、適度に関わって、邪魔はしちゃいけないんだよね。それで追いかけても見失って近づくけど逃がして、何もできずに周りをうろうろするだけの役割しか与えられなかった。

 玉木宏はこんな「真面目で無能な刑事」を熱演してたんだよね。
 これもかわいそうだよ。
 脚本家はなんか玉木さんに恨みでもあんの?



 逆にジャーナリスト、堂島基一の唐沢寿明 はヒロインをナビゲートし、全面的にバックアップし、有能な刑事並の捜査力と行動力で黒幕を指し示すところまで辿り着き、そして劇的な退場になった。

 あの幕引きで唐沢さん、カッコ良くて絶賛されてたじゃん。
 唐沢寿明の堂島は、自分の生き方を貫いて拍手喝采浴びた。

 サスペンスとしても一応あそこで区切りがついたんだよね。
 あとはヒロインが最終目的を遂行するのみ。

 最終回にもメッセージ動画で登場して、無力な真島に助言する。
 大切な情報を伝えて物語を引っ張っていく役割だった。

 唐沢寿明の完全勝利。

 ホームレスで見た目は汚くしてたけど、中身がヒーロー。
 「騎士」そのものだったよ。
 墜落して横たわった顔も綺麗だった。







 だからあんなラスト見たくなかったよね。
 背景もすごくもの悲しくて…。
 生きててもらいたかった。
 ドラマの中で、事件の隠蔽何件もしてたし、なんか何でもありの筋だったような気もするんだけど。生き残って全部事故でしたみたいに事実を変えて、真島と暮らしてもちっとも不思議じゃないくらいね。

 非現実的なあっけに取られるようなストーリー運びしてるくせに、こういうところだけは変に真面目に現実的。


 9話で芽衣子が「愛してるなら手伝って。」「協力して。」と真島にお願いしてたらどうなってたんだろう?

 それはそれで興味深い動きのあるドラマになったかも。

 視聴者はヒロインの芽衣子目線でドラマを見てるんだから、捜査して協力するか、長い苦しみから救うか、何か展望がないとね。
 芽衣子を手伝って逃亡すれば良かった。
 同じくらいの罪で刑期を終えて一緒になっても良かった。
 芽衣子を手伝っても、落ちるとこまで落ちる訳じゃない。
 自分だけ安全なところにいて、腰の引けた状態で「愛」も何もないよ。 
 復讐が終わってからただ駆けつけて、逮捕するだけの男なんて…。

 辞表を撤回してがっかり。おまけにヒロインを逮捕して絶望に落とす。
 無実の罪で長期間服役してて、出てきたばっかりなんだよ。彼女は。
 
 
 無駄に怒鳴ったりわめいたりするだけで…。














 極上のミステリーのはずが臆病のヒステリーだよ。


  



 

 
 


     役はともかく玉木さんは素敵でした。 
     またドラマで見れるといいな。   

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